
ポスティングで配布する際には『どのエリアに配布すれば最も効果的だろう?』と悩むことも多いかと思います。当然ながらコストをかけて集客を図るのだからできるだけ費用対効果が高くなるよう、反響率を高めたいところです。基本的にポスティングでの反響は店舗からの距離が最も重要となりますので配布エリアを決める際も商圏を重視する必要があります。
目次
ポスティングで反響に最も影響するのは店舗からの距離
ポスティングでエリア決めをする際には①店舗からの距離、②年齢層、③年収が主な反響にかかわる条件とされます。ただ、よほど高単価の商品や高級フィットネスジムなど高年収層のみをターゲットとしている場合以外は年収はさほど重きを置く必要はありません。また、後述しますが年齢層についてもポスティングのエリア決めでは大きな決め手とはなり難く、最も重要視すべきは店舗からの距離となります。
店舗来店型でのエリア決めであれば距離重視
店舗来店型であれば基本的に業種によっておおよその商圏というのは決まってきます。例えば個人の飲食店や学習塾、コンビニなどであれば半径500メートル程度、スーパーや整骨院、ドラッグストアーなどは半径2キロなどとなります。
チラシを見た時に家から近いエリア(商圏エリア内)であれば『ちょっと行ってみようかな』となりやすいですが、店舗から離れる(商圏エリア外)ほど行動が起こしにくくなりますのでポスティングで配布エリアを決める場合に最も重視したいのは店舗からの距離となります。美容室や塾、フィットネスジムや飲食、整骨院などとにかくお客さんに店舗に来てもらう為のポスティングであれば距離が近いほど集客力は高く、離れるほど低くなります。
店舗を中心に考えて近い町から予算とすり合わせをしながらポスティングエリアを決めるのがベストと言えます。仮に小学生低学年対象の学習塾のチラシを配布する場合は半径500メートルでも集客は難しいものです。予算が多いからと言って店舗から離れたエリアまで配布をしても反響率が落ちて行ってしまいます。『店舗からどの距離まで配布エリアとすれば良いか』については既存のお客様の所在地を参考にするのが最も効率的となりますので詳しくは後述致します。
年齢層でのエリア決めは効果的といえない
取り扱う商品が10~20代が主な対象年齢対象となる場合など、ターゲットとなる年齢層の幅が狭い場合はできるだけ対象年齢の多いエリアにポスティングを考えたくなります。例えば学習塾などであれば10代が多く住んでいるエリアを優先エリアに指定するなどが挙げられます。勿論、それもエリアを選ぶ際には一つの考えだとは思いますが優先すべきはあくまで店舗から距離で、近隣のエリアをカバーした上で尚且つ予算が余るのであればターゲットとなる世代が多く住んでいるエリアも追加するという方がベターです。
なぜターゲットとなる世代が多く住んでいるエリアを優先するのではなく、店舗からの距離を優先するかというとその理由は『ターゲットとなる世代が多いエリアと言っても他エリアと比べてその差はごく僅かに過ぎない』というケースが殆どだからです。
分かりやすいように実際の例を挙げてご説明すると、以下の表は大阪市住吉区の年代別の居住割合となります。見て頂くと分かる通り確かに町ごとで各年代の人口割合の差はありますが殆どの場合が数%(おおよそ1~5%)の域を超えません。

仮に10代をターゲットとする際に上記の中では殿辻という町の人口割合が11%と他のエリアと比べて多いので、店舗から近い千躰を省いて殿辻に優先的にポスティングするとしましょう。それぞれの人口は以下の通りとなります。
- 千躰の10代人口2,093x8%=170人
- 殿辻の10代人口2061x11%=230人
千躰と殿辻の10代の人口差は60人となります。千躰と殿辻の店舗からの距離がどちらもさほど変わらないのであれば殿辻を優先するのは良い方法と言えますが、明らかに殿辻の方が店舗から遠いのであれば千躰をまずポスティングエリアとして優先した上で予算があるならば追加として殿辻を選ばないと、折角店舗に近いエリアに170人のターゲット層が居るのにそれをみすみす逃してしまっている事となります。
仮にターゲットとする年代の層が千躰よりも殿辻の方が2倍も3倍も多いというのであれば店舗より多少遠くても優先する価値がありますが、各町によって年齢層の人口が極端に変わるケースは余り無く、殆どが数%程度の違いの範囲内となりますのでまずは店舗からの距離を重視した方が良い理由です。
⇒大阪近隣となりますが各町別での年代別の人口については『エリア世帯数表』に掲載しておりますのでご参考下さい。
距離以外から選択する場合
店舗来店型でポスティングを行う場合は、基本的に店舗からの距離を重視するのが良い方法であると述べましたが、店舗の立地などで例外もあります。例えば来店するお客さんが電車で来る割合が多い場合は店舗周辺のみではなく、店舗の最寄り駅から2~3駅先の駅周辺エリアへのポスティングが効果的な場合もあります。また、店舗東側が大通りや川で大きな高架を渡らなくてはならず徒歩・自転車では来店しにくい場合などは距離的には東側が近くても反響率が低くなる場合もあります。
また、店舗来店型ではなくお家の塗り替えや不動産の販売などお客様のお宅へ直接訪問するのがメインとなる場合は距離よりもターゲットの属性(塗り替えや不動産売却なら戸建て、不動産販売なら年齢層やマンション)を重視したエリア選定を行う方が効果的となります。
お客様リストで高確率なエリア決めをする方法
既存のお客様の住所リストなどがある場合は更に高確度のポスティングエリア設定が可能です。物品の販売などでは難しいですが、ポスティングをよくご利用頂く整骨院・学習塾・習い事・サロンなどの業種であればお客様に住所をご明記頂く事も難しくありませんので必ずリスト化しておきましょう。リストさえ作成していればどのエリアからどの割合でお客様が来店頂いているのかが分かり、ポスティングのエリアを更に決めやすくなります。
ステップ1:エクセルでリスト作成

お客様の情報としては詳しければ詳しい程良いですが、ポスティングでのエリア決めに利用するのであれば最低限お客様の名前と住所さえあれば十分です。
エクセルシートに名前と住所を記入していく事でどのエリア(町名)からより多くの来客が見込めるのかが分かりやすくなります。
ステップ2:グーグルマップで更に可視化
上記で述べたお客様リストさえできていれば、あとは地図上に落とし込む事で更にターゲットとすべきエリアが見えてきます。使い方はものすごく簡単です。以下の通りとなります。
①グーグルマップを開きます。
②グーグルマップを開いたら左端にある『保存済』をクリックします。

③次に『マイマップ』をクリックして続けて下段の『地図を作成』をクリックします。

④マイマップを作成すると常にドライブにデータがアップロードされます。という説明が表記されますので『create』をクリックします。

⑤地図が現れますので『インポート』をクリックします。

⑥『参照』をクリックして作成したお客様リストを選ぶか、ファイルを画面上にドラッグします。

⑦目印を配置する列の選択と出てきますので『名前(お客様リストの名前)』と『住所(お客様リストの住所)』をクリックします。

⑧マーカーのタイトルとして使用する列と出てきますので『名前』をクリックします。

⑩以下の通り入力したリストの住所に沿った形でお客様の所在が目印で表記されますのでどのエリアからより多くの来店があるのか、またお客様がほぼ無い(来客の弱いエリア)が見えてきますのでポスティングのエリアを決めるのに効果的です。

ポスティングの配布枚数の決め方
以上でポスティングでの配布エリアについては大まかにつかめました。次に配布する枚数についてご紹介したいと思います。
上述しました通り、店舗からの距離でエリアは決まるのですが大阪市内と大阪市外など都心部と郊外部では人口密度がかなり異なりますので店舗から徒歩10分圏内を重点エリアとしても大阪市内であれば3万枚のところ、大阪市外だと同じ徒歩10分圏内で1万枚と配布枚数が変わってくる事も多々あります。そこで大まかな目安としてポスティングでよくご依頼頂く業種の平均的なご依頼部数についてご紹介したいと思います。
業種別でのポスティングの平均依頼枚数は?
ポスティングは塾や整骨院、飲食店などその多くが店舗への集客目的でご利用頂く場合と買取や不動産、引越や修理業など店舗来店ではなく出張型での集客目的でご利用頂く場合の2パターンがあります。基本的には前者は店舗周辺がターゲットエリアとなりますのでポスティングのご依頼部数は比較的少なく、後者の場合は営業エリアが広範囲となりますので部数が多くなる傾向にあります。
不動産業
不動産業の場合は2パターンに分かれており、各営業マンの方から直接ご依頼を頂く場合(各営業マンの方が不動産会社と業務委託を行っているような契約の場合)と不動産会社からご依頼を頂く場合となります。前者の場合は数千~1万部、後者の場合は2~3万部程度というのが平均的な枚数となります。
整骨院・整体院
整骨整体院の場合は店舗の受け入れ規模などにもよりますが1~2万部程度というのが平均的な枚数となります。
習い事
習い事は大人や高校生を対象としているフィットネスジムや塾などは店舗から多少離れても来店が望める事から1~3万部と多少多めとなります。小中学生を対象としているような塾やピアノ、水泳などの習い事は1~2万部程度というのが平均的なご依頼枚数となります。
⇒学習塾や習い事でのポスティングについては詳しくは『学習塾の集客にはポスティングが最も良い』をご参考下さい。
飲食
飲食店は毎日の事で他の業種と比べると単価も低く店舗からの距離が最も重視される業種でもありますのでターゲットエリアも絞られている為、ご依頼部数は数千~1万部程度が平均となっています。
買取・遺品整理
買取・遺品整理業は2パターンに別れる事が多く、店舗来店型の場合は1~2万部、出張型の場合は5万~10万部とかなり開きがあります。
介護サービス
介護サービスではご依頼頂くのが新規オープン時と求人募集の際の2パターンが多く、オープン後の集客の為のポスティングご依頼などは殆どありません。前者の新規オープンの際には3~10万部とかなり多くの部数配布のご依頼が多くなります。また、求人の場合は通える距離を考慮して1~2万部位のご依頼が平均的な枚数となります。
枚数を決める場合に注意すべきこと
仮に御社が整骨院で手始めに1万部を配布しよう!と決められた場合にポスティング会社によりますがHP上にシミュレーション(弊社のシミュレーション)がある場合は地図上から配布したいエリアを選択すれば簡単に部数が分かります。
ただ、1点だけ注意しておきたい点があります。それはポスティング会社によって配布する部数密度がマチマチなので仮に重点エリアである店舗周辺にできるだけ密度を濃くして配布したい(できるだけ漏れなく全ての住宅に配布したい)のであればポスティング業者をよく比較する必要があります。
仮に御社の配布したいターゲットエリアがA町・B町・C町の3町の場合、同じエリアで見積り依頼をしたにもかかわらずポスティング会社によって配布する部数が8千部であったり7千部であったり6千部であったりします。よく各ポスティング会社のHPやお見積りを見ると『弊社では世帯数の約〇%の配布となり全ての世帯に投函されるわけではありません』という形で明記されております(明記されていなくても聞けば教えてもらえます)。
つまり、ターゲットとする重点エリアにできるだけ漏れなく配布をしたいという事であればカバー世帯数の多いポスティング業者を選ぶ事が必要となります。
以上、ポスティングでのエリア及び枚数の決め方についてのご紹介でした。『お客様の声』『大阪ポスティング日記』には実際に各業種のお客様より配布させて頂きました枚数などをご明記しておりますのでよろしければご参考下さい。